1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28

今後の活動予定はホームページをご覧ください

下鴨車窓のホームページはこちら

「オーっ」とすぐ言う


週末のソウルは晴れ。朝夕は冷え込んで長袖が欲しいけれど、昼は逆に半袖になりたくなるような暑さだ。だから街のファッションも短パンにサンダルの人もいれば、秋のコートを着ている人などごっちゃになっている。
 日曜日、景福宮(キョンボックン)という1395年に創建された李朝の正宮で儀式というかイベントがあるというので行ってみる。写真には写っていないが、大きなモニターがあって、なにやら王様に扮した男性の前で家来の人たちが弓をひいたりしていた。古楽というか、朝鮮の伝統音楽があたりに響いていて気持ちがいい。



 順序が逆になるがその前日の土曜日には大学路(テハンロ)に行ったが、週末の人の多さを忘れていて驚いてしまった。なにか面白そうなお芝居をと思って探していたら「ソウルノート」(韓国語だけど劇団のHPはこちら)というのがあって、そういえば確かと思いこれに決めたのだった。そういえばというのは以前青年団のホームページで情報があって「東京ノート」を翻案したものらしいと。果たしてそれは「東京ノート」のソウル版だった。韓国の演劇で登場人物がこんな普通な感じでお話ししているというのは珍しく思われ、新鮮な感じがする。開演前から舞台に人がいるっていうのも。それでも青年団に比べるとやはり身体は客席の方へ開いてるし(なかなか客席に背中を向けない)、ラストもお姉さんが家族か姉妹かの問題で話しているうちに涙を流すというまさにそのときに幕というようなところなど韓国らしさというのがあって。

 上の写真に載っている野外コンサートもそうだしテレビなんかでも、観客としての韓国人の反応はとても率直というか、たとえばすぐに「オーっ」て言う。「ソウルノート」ではそもそも前説がなかったけど、その前に見た芝居の前説でもその話に合わせて観客は「オーっ」と言っていたし。どういえばいいだろう、実際の観劇でも、観客が笑っている様子などを見ていると、それはアクションをしている舞台俳優に対して「直接に」反応しているように見える。日本の場合はそういう点からすると舞台と客席のあいだに一枚フィルターがあるというか、俳優(たち)自身にではなく、その表現に対してのリアクションだ。そう、歌舞伎ならば客席から直接役者の名前を呼ぶかけ声があるが、大学路の小劇場では(渋めの演目でなければ)そういう雰囲気だ。
 これは一般の人たちのなかで演劇がどういう意味や役割をもって受け入れられているかの違いではないか。東京だとまた違うのかもしれないが、関西でのこういうノリは吉本新喜劇くらいしかないのではないか。もちろん吉本新喜劇が良いとか悪いとかの話ではなく。
 制作あるいはプロデュースする側としては演劇を観る側の土壌を見極めて、作品を上演する場所を選ぶということも重要なのかもしれないと思う。少なくとも今の時点でたとえばわたしの作品をいきなり上演するかと問われると躊躇があるのだった。「ソウルノート」は土曜の昼なのに三〜四割くらいしか客席は埋まっていないし、そういうことよりも途中で帰る客がちらほらいたのが引っかかる。むろん劇作家や演出家はそういった観客のマーケティングからは無縁でなければならないが、日本の場合は劇作家・演出家・プロデューサーを兼ねていたりするので大変だ。そして理想としてはいろんな表現が、エンターテイメントもあれば抽象的なものもあってさまざまなものが同時に受け入れられるという状況だが。
 この韓国滞在のなかでわたしが知りたいのは日韓の違いがどこにあるのかということではなくて、その違いがどのようにして出てきたのかというところまで踏み込むことで、だからもっと観察しなければと改めて思ったのだった。来週末にはサラ・ケインの「4:48サイコシス」を観に行くことになっている。どういう観客がいて、どういうことになっているのか楽しみだ。

noartnolife

RSS"no size"が更新されるとお知らせします

>くみくみさん
ありがとうございます。景福宮って行ったっけ。僕が覚えているのはロッテワールドで同じジェットコースターに三回乗ったこととかです。くみくみさんも元気で。またこのブログも覗いてあげてください。
(注:「くみくみさん」は中学・高校の同級生です)
田辺剛 | 2006/10/27 00:13
ソウル生活、元気そうで何よりです。
そういえば、景福宮って確か修学旅行で行った気がする。違ったっけ??
やっぱりソウルって活気に満ち溢れてるねー。何回か行ったけど、いつもそう思う。
まぁ、観光で行くようなところはそんなところばっかりか。
ではでは、お体に気をつけて!
くみくみ | 2006/10/21 23:16
COMMENT









TRACKBACK URL
http://blog.tana2yo.under.jp/trackback/464933
TRACKBACK